貯金も株式投資も資産保全方法の1つにすぎない。資産のバランスを整えて様々なリスクに備えることが重要

貯金のリスク

投資はお金を殖やす方法でありリターンを得るためにはリスクをとる必要があるとよく本やネットには書かれています。もちろんそれは正しいのですがこれでは投資をしないこと(資産をすべて貯金で保全すること)はリスクを取っていないことのように思えてしまいます。

日本円での貯金はインフレや為替の影響をもろに受けるため、資産のほとんどを日本円貯金で保全している人はインフレ・円安に対して無防備です。ここ20年ほどはデフレが続き貯金のリスクが顕在化していないだけで多くの人が貯金のリスクに無自覚なように思います。

財務省のHPによると日本の政府債務残高は2015年で1000兆円を越えておりGDP比で223%です(2015年債務残高のGDP比は米国で111%、英国で116%、ギリシャでさえも190%)。財政破綻が起きてハイパーインフレになったとき日本円での貯金しか持っていない場合は資産のほとんどを失うことになります。

投資をしないこと(貯金以外に資産を持たないこと)はデフレ&円高へと移行した場合のみに得する資産保全方法であり、競馬で言えば三連単1点買いするようなものです。余裕資金なら三連単での一点買いもスリルがあり楽しいでしょうが、保有資産全てを三連単に突っ込むのは明らかに偏っています。

リスク資産に投資するとリスク耐性が上がる

逆説的なようですが株式などのリスク資産に投資すると資産全体としてのリスク耐性は上がります。これはそれぞれの資産が異なったリスク耐性を持っているからです。

日経マネー

米国株式の実質リターン200年

これは日経マネーで紹介されていたグラフで、米国株式・米国債券・金(ゴールド)・預金(ドル)の超長期のリターンを示しています。1802年時に1ドルを投資した場合の2015年時点でのリターンです。株式や債券は配当再投資のリターンであり、インフレ率は差し引かれています。

ここから200年の超長期では株式が最も安定してリターンを出していることがわかります。預金はグラフのギザギザが小さく短期では最も安定していますが、インフレにより200年で価値は10分の1以下になっています。インフレ率とは消費者物価指数の変動率のことですから、消費者物価指数に対して長期の安定性では株式>貯金、短期の安定性では貯金>株式ということになります。

保全する資産を決定するにはまずはどんな資産があるのかとそれぞれのリスク耐性を知る必要があります。

例として株式、債券、不動産、保険、貯金を以下の6つの観点で独断で得点付けしてみました。(保険は一般的に投資とは呼ばれていませんが資産保全方法として重要なので挙げています。)

  • 長期的安定性
  • 短期的安定性
  • 流動性
  • インフレ耐性
  • 事故/災害耐性
  • 為替耐性
  株式 債券 不動産 保険 貯金  

平均

長期的安定性 5 4 2 1 2   2,8
短期的安定性 1 3 3 1 5   2,6
流動性 4 4 1 1 5   3
インフレ耐性 5 1 4 1 1   2,4
事故/災害耐性 3 3 1 5 4   3,2
為替耐性 3 3 1   1,8

資産保全方法のレーダーチャート_2

※事故/災害とは例えば原発事故や津波などを想定しています。株式と債券の事故/災害耐性は分散投資すれば高くなります。不動産投資もREITなら事故/災害耐性は高いですが、ここではマンション1棟買いのような集中投資を想定しています。

ここで言いたいのは「投資対象として株式・債券・不動産を第一に考えるべき」や「投資対象の評価軸として安定性・流動性・インフレ・事故/災害・為替が適している」ということではありません。どれか1つの資産保全方法(投資対象)では様々なリスクに備えることは不可能であるということです。

それぞれの資産は異なるリスク耐性を持っており左側のレーダーチャートはいびつな形をしていますが、リスク耐性の平均をとればどのリスクに対してもそこそこの耐性を持つことがわかります。これがリスク資産に投資するとリスク耐性が上がるという意味です。このリスク耐性向上こそが投資をする意味であると考えます。

※言わずもがなですがリスク資産に資産の大部分を投入すればリスクは上がります。大切なのは分散です。

具体的にどの資産をどれくらい持てば良いかはどんなリスク耐性をどのくらい持ちたいかによります。若ければ短期的安定性は低くて良いでしょうし、幼いお子さんがいる方は事故/災害に備えて生命保険に入っておく必要があるかもしれません。

分散投資と旅行の準備

インフレや為替などのリスクに備えるというと大仰な感じがしますが、色々なケースを想定して準備すること自体は特別なことではありません。例えばヨーロッパに旅行に行くのに様々な持ち物を持っていくのと同じです。

指差し会話本で言葉の壁に、飛行機内での快適な睡眠のための耳栓やアイマスクで時差ぼけに、解熱剤や整腸剤で体調不良に備えることができます。備えあれば憂い無しというやつです。分散投資も様々なリスクに備える方法の1つです。

また言葉の壁を突破する方法も辞書を持って行ったりGoogle翻訳を使えるよう海外用のSimを用意したり写真を見せたりと方法は1つではありません。リスクに備える投資方法もいろいろあります。投資せずとも自分で大金を稼げるようになることや節約生活できるようになることも方法の1つでしょう。各個人に合った備え方を個人が考える必要があります。

旅行の事前準備がばっちりなら何か起きたときでも旅行を楽しむことができます。投資は人生のリスクへの準備と割り切り、リスクが顕在化したときでも人生を楽しむめるようにしておきたいと思います。

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