トンチン年金に対して思うことをつらつらと書いてみる

3回連続でトンチン年金について触れてきました。

いつ死ぬかを考えずにマネープランは立てられない

トンチン年金を金融商品として評価する

トンチン年金の活用 ~資産を気持ちよく使い切るために~

トンチン年金の記事のひとまずの締めくくりとして上記記事では書ききれなかったことをつらつらと書いてみます。

確定拠出年金はトンチン年金と相性が良い

確定拠出年金(DC)は60歳以降で無いと年金を受け取れないことがデメリットですが、トンチン年金はどうせ解約払戻金が0なので、このDCのデメリットは顕在化しません。民間の年金保険でなくDCでトンチン年金に加入すればDCの税繰り延べ効果というメリットのみを享受することができます。このような意味でDCとトンチン年金は相性がいいように思います。

現在もDCのラインナップには年金はあるので、民間でトンチン年金の商品がでてくればDCに加えることは可能でしょう。

トンチン年金は望まれていない??

トンチン年金でググってみると色々なサイトやブログ記事が出てきます。この記事を書いている2017年1月時点ではどれもトンチン年金を好意的に捉えており金融商品の1つとして実現してほしいというようなことが書かれています。私も実現を望む1人なのですが実際にはそれほど一般受けしない商品なのかもしれません。

ライフネット生命保険代表取締役社長の岩瀬氏のコメントを引用します。

岩瀬大輔は言う「ライフネットは成長痛のような段階だ」

岩瀬:(前略)トンチン年金については数理的な問題もありますが、意外にお客さんが喜ばないんです。ユーザーにグループインタビューをしたことがあるのですが、早く亡くなったら受け取れないのは嫌だね、やっぱり元本は保証されないとね、という意見が多くて。保険に限らず金融は、理屈で正しいものが必ずしも売れるわけではないですね。

今は規制があって導入が難しいことは認識していますが、マクロな視点でみると、お金を受け取れる方法が多いほうが、社会全体の厚生が高まると思います。

保険会社としても一定数の加入数を見込めないと商品設計できないでしょうし、難しい問題ですね。理屈で正しいものが売れないというのはマネーリテラシーが低いということなのでしょうか。トンチン年金の良さをみんなに分かってもらいたいですね。私のブログがその一助になれば幸いです。

持病申告で保険料が安くなる

非喫煙や健康体なら保険料が安くなる生命保険があります。いわゆるリスク細分型保険というやつです。

参考:禁煙すると保険料が安くなる?

同じ理屈をトンチン年金に適用するなら持病を申告すれば保険料を安くできるということになります。持病を申告することで保険料を安く出来るなら病気を積極的に見つけようとするインセンティブになるでしょう。健康診断や人間ドックの受診率が高くなり早期診断がつくことで人々のQOLがあがりかつ医療費の抑制に繋がることも期待できるのではないでしょうか?

保険会社を通さないトンチン年金の仕組み ~胴元のいないギャンブル~

言葉は悪いですが保険は全てギャンブルです。何かの事象が起こった(あるいは起こらなかった)場合にお金を払いますよという契約だからです。生命保険、医療保険、学資保険、損害保険、火災保険、国民年金、トンチン年金保険すべて事象により支払有無や払われる金額に差が出ます。

保険というギャンブルの胴元は保険会社ですが、ギャンブルにはもともと胴元は必須ではありません。胴元は大多数の参加者からのお金を管理&起こった事象(例:さいころで1が出た)を判断するためにいますが、胴元の役割はソフトウェアで代替可能です。

みなさんは「予測市場」と「分散型未来予測市場のためのプロトコルであるAugur(オーガー)」をご存知でしょうか?

Augur – 胴元のないギャンブルは可能か?史上最大のギャンブル市場の可能性を秘めたAugurとは? ビットコイン研究所ブログ

Augurは、世界最大の予測市場としてはもちろんのこと、デリバティブ及び、保険などへの応用を含めて、社会インフラになる可能性がある。

<予測市場>

予測市場というのは、簡単にいうと、未来におこる出来事にたいして、お金を賭け、実際に起きた結果を言い当てたほうがお金を得るというギャンブルの一種だ。

たとえば、「次のアメリカ大統領選挙でどちらの候補が勝つか?」「ワールドカップでどこの国が優勝するか?」

といった社会やスポーツイベントなどの予測が典型的なものだ。

Augurが目指すものは、こうした未来の出来事にたいして、賭けを通した集合知による予測を行い、実際の事実を認定するという、分散型のプロトコルである。

Augurのソフトウェアは、オッズを算出し、賭け金を預かり、事実を認定し、配当まで行うが、そこには、特定の胴元が存在せず、分散型のソフトウェアが、これらをすべて自動で実行する。

(中略)

<どうやって胴元をなくすのか?>

さて、Augurのイノベーションは、ブックメーカーを胴元なしに運営することである。これを実現する仕組みを簡単に解説する。分散型のブックメーカーには、次のような機能が必要だ。

(1)誰もが賭け事を作れること
(2)誰もがそれに簡単に賭けることができること
(3)結果を、胴元が判断せず、分散的に判断すること
(4)配当を胴元を経ず自動的に実現させること

これらの4つの機能が不可欠である。Augurは、これら4つの機能をイーサリアムのスマートコントラクトを利用して実現する。

(中略)

Augurでは、予測した事実の認定すらも、分散的に行う。特定の胴元や、偉い人が事実を認定するのではなく、レポーターと呼ばれる多数の人によって、分散的に事実を認定する。

<レポーター>

Augurでは、レポーターという事実を認定する多数の人が存在する。レポーターは、定期的に予測の対象となる事実について、実際に何が起きたのかを判断して報告をする義務がある。この際に一定のデポジットを積むことが必要とされる。

簡単にいうと、レポーターは、報告に際して、正直に報告すると報酬がもらえる。事実と違う報告をすると、デポジットを失う。

正確にいうと、大多数のレポーターが報告した事実と同じ事実を報告した場合、報酬がもらえる。多数派と同じ行動をすれば報酬がもらえるわけだ。そして、多数派の報告が事実として確定する。

あえて起きた事実と違う報告をしてもいいが、その場合は、レポーターが共謀しないかぎり、少数派になる。少数派になった場合、デポジットが没収される。

こういうインセンティブ制度では、常に正しい報告をして、多数派になり、報酬を得たほうが得をする。

もしレポーターが、充分に存在し、それぞれが独立しており共謀することがなければ、この方法で分散的に事実を認定することができる。

上記の機能を利用すると保険会社(胴元)を通さないトンチン年金が可能となります。Augurに「○○(自分の名前)は90歳まで生きるか?」という賭けを投稿して「生きる」ほうに自分で賭ければよいのです。

90歳まで生きれなかった場合は賭けたお金が没収されます。これはトンチン年金の解約払戻金が0円であることに相当します。90歳まで生きれた場合は払戻しを受けます。これはトンチン年金の生存保険の払戻しに相当します。ちなみに賭けの倍率は生命表から導かれる生存率におおよそ収束するはずです。こうすれば保険会社を通さずにトンチン年金を実現することができます。

ただ問題は山積みです。

  • 世界的に著名な人物ならまだしも無名の1個人の生死をどうやってレポーターが判断できるのか?
  • 結果が出るまで数十年かかることもあるがそのような賭けにのる人物が本人以外にいるのか?
  • 個人間のギャンブルは日本では法で禁じられているのでは?

トンチン年金をAugurで実現するのはもはや妄想といっていいレベルかもしれません。

これで思ったことは以上です。締めくくりとしてはかなりまとまりの無い記事になってしまいましたが個人ブログでの戯言ということでご容赦ください。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする